後悔しないように
親戚のおじいちゃんとおばあちゃんが亡くなった。
おじいちゃんが16日に亡くなり、おばあちゃんが後を追うように19日に亡くなった。
僕の母の妹の旦那さんのご両親なので、血のつながりはまったくない。
でも、僕が小学生よりももっと小さい頃から、中学に入るまではよく家に遊びに行っていた。ずっと本当の孫のようにかわいがってくれた。
中学生くらいになって、土日はほとんど野球をやっていたのもあって、10年以上会っていなかった。
ここ最近になって体調が悪くて、実家の近くのホスピスに入院したと聞いた。
たまたま、機会があって、奥さんを連れていくことが出来た。
会わなかった10年以上の間、あまり思い出すことはなかった。
でも、会って名前を言っただけで、おじいちゃんもおばあちゃんもすぐにわかってくれた。
あんなに小さかったのに、大きくなって。と。
奥さんを紹介した。子供がおなかにいることも伝えた。7月に結婚式をすることも伝えた。
そのときすでにおばあちゃんは余命2週間くらいと聞いていた。
無理とは分かっていても、7月の結婚式に来てほしいと伝えた。10月には子供が生まれるから、絶対に見せるよと伝えた。
絶対に結婚式に行くからね。子供も抱かせてね。と言ってくれた。
自分の死期が分かっていたのかいなかったのかは分からない。でも、そういってくれたのがとてもうれしかったし、会ったときはすごく元気で、2週間なんて嘘かもなと思っていた。
でも、やっぱり亡くなった。
しかも、おじいちゃんがおばあちゃんより先に逝ってしまった。
おばあちゃんとは長く話した。手を握ってもらって、ちゃんと目を見て話せた。
おじいちゃんは話したけど、手を握ったり、目を見てしっかり話せなかった。
それがとても心残り。
でも、ちゃんと会えただけいいのかもしれない。
父方のおばあちゃんが2年くらい前に亡くなった。
母方のひいおばあちゃんも確か2年位前に亡くなった。
そのとき、仕事を理由にして、亡くなる前に会うことをしなかった。
亡くなっても、葬式にいったくらいでまっすぐ向き合うことをしなかった。
みんなすごく僕のことを可愛がってくれていた。
父方のおばあちゃんは、滋賀に住んでいて、行くといつもたくさんのお菓子とジュースが出てきた。いつもニコニコしていて、怒られたことなんてなかった。
もっと話したかったといまはすごく思う。
母方のひいおばあちゃんは名古屋に住んでいて、よく動物園とか水族館とか連れて行ってくれた。
ひいおじいちゃんは戦争で亡くなって、会ったことはなかった。でもひいおばあちゃんとはたくさん遊んだ。悪いことをしたらちゃんと怒ってくれた。良いことをしたらちゃんと褒めてくれた。
大好きだったのに、なぜかちゃんと向き合えなかった。
すごく後悔している。
僕には10月に子供が生まれる。
人が産まれるということは、人が死ぬということだ。忘れてはいけない。
会いたいと思ったときに、会わなきゃいけない。
時期を逃したら一生会えなくなる。一生話せなくなる。
それをぼんやりと感じている。
いつ死ぬかは分からない。だから会いに行く。
ゴールデンウィークは奥さんの実家に帰って、おじいちゃんおばあちゃんに子供が出来たことを報告しに行くことに勝手に決めた。
まだ、ちゃんと会って報告が出来ていない。
怒られるかもしれないし、喜んでくれるかもしれない。
でも、ちゃんと会って伝えたいと思った。後悔しないように。