会えなくなる前に
人は死ぬのだということを実感したのがいつだったか
高校生くらいまではあまり考えてこなかった。
大学生になっても、そんなに分かっていなかったんじゃないかと思う。
社会人になって、病院で働いて、毎日ぽつぽつと亡くなる人とその家族を見ていて
なんだかとても切ない気持ちになったのと、「ああしておけば。」「こうしておけば。」
というのを耳にすることがあって死ぬっていうのを漠然と理解してきた
これまで親族は何人か亡くなっている
でも、なんだか遠くに旅行に行ってしまったくらいの感覚で、会えなくてもまぁいいか。と思うことがとても多い。
多分それはその時々に新しい出会いがあって、穴が空いても勝手に誰かが埋めてくれていたんだろうと思う。
社会人になって、死ぬを理解したと同じくらいに、交友関係がどんどん狭くなっていく感じがした
それはつまり、これまで埋めてくれた人がどんどん減っていくんじゃないかとなんだか怖くもなった
今は結婚していて、最近会えてないけど奥さんがいて子どもがいる。
この2人がきっと穴埋めをしてくれているんだろう。
死んでなくても、会いたくても会えない人はいるわけで、そういった人に会わなくても「まぁいいか。」となんとなく住んでいるのはきっと2人のおかげだ。
会えなくなる前にとにかく会いたい人に会うことにした
死んでも会えないし、どこかへ行ってしまっても会えない
向こうが会いたいと思っているかどうかなんてあまり関係なくて
向こうがあんまりならこっちもあんまりになるんだろう
減りゆく交友の中でも、会ってくれる人を大切にしたいと思った。
そんな感じ。